紅茶の国的トルコな生活。

紅茶の国の800年くらい歴史ある大学で1年間訪問研究者として生活してます。日本での勤務先はとんこつラーメンの国にあり、トルコなことやってる教育研究職なヒトのブログ。

10年ぶりのケンブリッジ

デスクスペースをもらって、家から大学に通い始めました。大体歩いて25分。10年ぶりのケンブリッジは、街の雰囲気や見知ったお店がかなり入れ替わってしまっていて、初めてではないはずなのに、なんだか慣れない不思議な気持ちになります。
ただ、先週の金曜にお世話になった指導教員の先生にご挨拶に行ったのですが、先生のオフィスのあるコレッジまでの登っていく坂道の雰囲気はあまり変わっていなくて、学生時代に論文のこととか、将来のこととか、いろんなこと考えながら通っていたのを思い出して、しみじみしてしまいました。といっても、先生の属するコレッジの名前は変わっちゃったんですけど*1
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*1:New Hallから、巨額の寄付をした人のお名前を冠してMurray Edwards Collegeになりました。

英国に来るまで③

ヴィザの申請と並行して行っていたのは、家探し。ケンブリッジ大学で学生時代に所属していたコレッジHughes Hallに問い合わせることも考えたのですが、在学していたころ日本からの訪問研究者の先生方多く所属されていたClare HallやWolfson Collegeならともかく、HughesにはVisiting Scholar向けのアコモデーションが充実していた記憶があまりなかったこともあり、自分で探すことにしました。頼ったのは以下のサイト(大学のアコモデーションサービス)です。

https://www.accommodation.cam.ac.uk/

長期研修の結果が出たのは前年の秋だったので、その時点でレジスターして時々みていました。最初は大学所有の宿舎を考えていましたが、大学の教職員用の宿舎は到着日の2か月前くらいにウェイティングリストが出るくらいで、あまりあてにならないし、家具なしが基本だったので、ちょっと出費が多すぎるかなとおもい、方針変更。年明けくらいから、プライベートメインで見ていました。ただ、あまり早いと家の確保で別途お金がかかるので、いいなとおもってもなかなか手を出す気にもなれませんでした。もうさすがに動かないとヤバいとなったのは、渡航まで2か月を切った2月初め。ヴィザの申請書類にも英国での住所を書く欄があるので、焦って真面目に家探しを始めました(ヴィザ申請の際は、最初はホテルに泊まって家探しするとしておけば問題はなかったのです。)

どんなお部屋にするか、このあたりは個人の好みがあるところなのでなんともいえないですが、自分の場合は、①家具付き②光熱費(&Council Tax)込み③オフィスまで徒歩圏の条件で。探し始めたタイミングや年度末の忙しさを考えると、事前に内見できないのはあきらめました。英国暮らしは初めてではないのと、ある程度は合わせられるんじゃないかって軽い見通しのもとで。

結果、コンタクトを取ったのは、大家さんと同居するスタイルの1DKのフラット。駅に近いところ、オフィスのある研究所までは徒歩で25分。ぎりぎり歩けるとおもったから。相場は正直わかりませんでしたが、英国は自分が住んでた10年前と比べてずいぶん物価が上がっているなかで、安いほうから数えたほうが早いかなというくらいの家賃のところです。

まず、2月の半ばに大家さんにコンタクトをとって、どこでこの物件をみたのか、どれくらい住みたいか、こちらのスケジュールを説明しつつ、お部屋借りたいと伝え、お返事を待ちました。すぐにお返事がきて、そのスケジュールならこの条件で、まず推薦状(reference)を2通送れということでした。2通の推薦状は、ケンブリッジ時代の指導教員の先生と、お世話になる研究所の所長の先生に依頼。名前を知らせるだけでなく、実際に推薦状がいるようだったので、依頼した先生方にはそのようにお伝えしました。所長の先生はご出張中で連絡がなかなかつかないなか、先に指導教員の先生の推薦状が大家さんに届いたのですが、最終的に指導教員からの推薦状1通で大家さんが満足してくださり、デポジットを送ることに(指導教官の先生には足を向けて寝られないです)。

日本の銀行からの送金は、ここ数年の国際犯罪防止策の影響でかなり手続きが面倒でした。が、銀行の係の人と相談しながら手続きを済ませ、送った旨を大家さんに連絡。数日後、入金が確認できたとの連絡があって、さらにしばらくして契約書が送られてきました。その契約書にサインをして送り返し、届いたよというお返事をもらえたのが、出発の2週間くらい前にあたる3月半ば。ここまで1か月。さらに、4月分の家賃を3月末までに届くように送金しておきました。

このように、自分の場合、最初に連絡したところですべて終わらせてしまいました。何軒か問い合わせることになるかなーと想定してたので、そんなことにならなくてラッキーでした。広告を出した直後だったのが良かったみたいです。また、大家さんの親せきが日本におり、日本人に対するイメージがそれほど悪くなかったのもあるかもしれません。行ってみないと分からない要素もたくさんあるけど、落ち着き先が決まったので少し気が楽になりました。

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入居してみての感想ですが、まだ数日しか経ってないこともあって、今のところ問題はないです。細かい点で、もっとこうだったらいいのにというところはありますが、外国だし仕方ないよねと思えています。ただ、もともと住むってところにあんまりこだわりがないから、ここはあてになりませんが。同居の大家さんがあまり干渉してくる方ではなく、適度に放置してくださる距離感が好きです。

英国に来るまで②

サバティカルに関わるヴィザの取得手続きについてググると先達のブログにいろいろ行き当たりますが、英国のヴィザ申請は、時々準備すべき書類が変わったりするので、数年前の情報ではあてにならないことがあります。自分が準備した書類に関する情報について書いたところで、数年後にはあてにならなくなるとは思いますが、今後、英国でのサバティカルを目指す方のご参考にはなるかと思いますし、自分のための記録として書いておきます。最新の情報については、コチラなど確認しておきましょう。
www.gov.uk

以下に準備した書類を挙げていきます。
①ヴィザの申請書
必要なヴィザの申請書にオンラインで記入していきます。簡単に研究計画のことなども書きました。大変だったのは、過去10年の英国やEU圏など以外の渡航歴の記入で、お仕事でトルコに行きまくってたので丁寧に拾うのが大変でした。日本の出入国はお願いしないとハンコを押してくれなくなってきてるので、ハンコをもらうよう心掛けておいて正解でした。古いパスポートも引っ張り出して、日付や行先を記入していきました。英国を含めた一部の国は過去2回分の渡航歴を記入する形でした。完成させるところで、UKヴィザセンターでのアポイントメントを取ります。申し込みは出発予定日の3か月前からですが、提出書類の審査期間を見込んで、ヴィザセンターのアポイントは出発予定日まで1か月を切ると、アポイントが取れなくなるようです。(私の場合はそんなギリギリのタイミングでの申し込みでした…)

②滞在先の研究機関からの招聘状
勤務先の長期研修制度に応募する際に必要だったので、出発日の半年以上前にお手紙をもらっていたのですが、ブログの情報をみていると日付が新しいほうがよいとあったので、2019年になってからヴィザ申請用のお手紙をお願いし、内容はほぼ同じで日付だけあらためて再度送ってもらいました。紙ではなく、データで送られてきたので先方に確認すると、これで大丈夫なはずといわれました。実際、大丈夫でした。

③勤務先からのお手紙
勤務先に、自分がいつから勤務しているかの英文での証明書、給与や長期研修で出す助成金に関する英文の証明書を出してもらいました。正式な勤務先のレターヘッドでないといけないとあったので、そこは気をつけました。

④財政能力に関わる証明
英国で暮らしていけるだけのお金のあるなしは審査結果に関わるため、非常に大事な書類です。抜かりないように準備しましょう。給与振込先の銀行の残高証明を英文で銀行に出してもらいました。また、その預金通帳、過去6か月の取引履歴とその英訳。ここ数年、ずっとオンラインバンキングメインでお付き合いしてたので、取引履歴は銀行で出してもらいました。③の給与に関する証明書もこれに相当しますね。英訳は指定の業者になっているGlovaさんにお願いしました。

⑤住民票と戸籍謄本
日本にちゃんと戸籍や住所があることの証明でしょうか。こちらも原本に加えて、英訳が必要です。英訳は④にも書いたGlovaさんに依頼。

⑥そのほか
英国の住所については、まだ申請書を書いていた時点ではまだ決まっていなかったので、とりあえず宿泊先のホテルの情報。予約した航空券のE-チケットのコピー。留学して英国のヴィザをもらっていたので、過去のパスポート。

UKヴィザセンターについて
とんこつラーメンの国在住者の自分は、どのみち旅費がかかるし、大阪では追加料金が取られるようだったので、東京の方に行きました。ものすごく込み合っていたので、指定の時間から2時間近く待たされての書類提出でした。ただ、センターの人はその間フル回転で働かれていたので、どうしようもないかなと思います。また、パスポート以外の書類はすべてスキャンしてマニラに送っているようです。英訳された書類(翻訳業者の方が丁寧に綴じてくださっていた)、預金通帳や古いパスポートなどは事前にコピーをしておく必要があります。こうした情報はウェブサイトに出ていなくて、ヴィザセンターにいって初めて知ったので、慌ててコンビニでコピーしました。
ヴィザセンターの人たちは、とても誠実にお仕事されています。とはいえ、審査をする立場ではないこともあって申請書の中身についての質問は全く受け付けないため、機械的にお役所仕事されてるなーという印象が強かったです。(激込みでお忙しかったのもあるでしょう)

費用について
ギリギリでのヴィザ申請だったので、通常の倍近いお金がかかるプレミアムコースを利用しました(ここまではオンラインで支払い)。パスポートはヴィザセンターで自宅への郵送を依頼したので、郵送費がかかりました。また、翻訳費用はプレミアムコースと同じくらいの金額でした。こちらに東京までの往復交通費及び宿泊代。概算ですが、20万円以上かかってしまった…。

…結果
ドキドキでしたが、2019年3月1日に申請して、3月8日には仮ヴィザついたパスポートを受け取れました。パスポートに添付されているお手紙を英国への入国の際に、入国審査官に見せ、さらに、外国人登録証をもらいに行くときにもそのお手紙を持っていく必要があるようです。このへんはこれからやります。

英国に来るまで①

最近の大学をめぐる状況は非常に世知辛く、長期研修(サバティカル)のない大学も多いそうです。とんこつラーメンの国にある私の勤務先にはありがたいことにこの制度があり、5年働いたら1年間行かせてもらう権利を得ることができます。応募して長期研修に行けるようになるまでも曲折ありましたが、つまらない話なのでそれは割愛しましょう。で、長期研修に行くにあたって、どこで研修するかを考えた際、いろいろな選択肢を考えたのですが、最もOKの可能性をもらえそうなのは自分の母校かなと思い、指導教員の先生にコンタクトを取って相談して、ケンブリッジ大学に滞在する方向で手続きを進めていきました。
指導教員の先生のおかげで、訪問研究者として滞在していいよという許可のお手紙をもらうまではスムーズでした。問題は、英国滞在に必要なヴィザの取得でした。おおまかな手順は次のようになります。
英国の大学に訪問研究者として1年滞在しようとする場合、Academic Visitorのヴィザが必要です。これでちょうど1年までもらえます。ヴィザの手続きができるようになるのは、出発予定日の3か月前から。この手続きに必要な書類をそろえ、東京(か大阪)にあるUKヴィザセンターに書類とパスポートなどを提出すると、英国に入国までできる仮ヴィザがおります。入国後10日以内に、仮ヴィザのついたパスポートを滞在する町の指定の郵便局に持って行って、外国人登録証みたいなものをもらって手続き終了です。この登録証はヴィザの有効期間中に英国を出入国する際に必ず携行しないといけないようです。4月1日に入国したので、10日以内ならすぐにでも指定の郵便局に行きたいところですが、もらった手紙によると4月8日以降に準備できますと書いてあるので、来週4月8日月曜にいけば問題なさそうです。
ヴィザ取得にあたって準備した書類などは次の投稿に書いていきます。

1年間だけど、英国生活始めました。

生息しているとんこつラーメンの国の勤務先から、1年間の長期研修(サバティカル)の機会をいただき、英国のケンブリッジ大学に訪問研究者として滞在させていただくことになりました。2018年度は役職ついてたし、授業コマも例年に比べて多めだったし、出発日を4月1日にしたので、エイプリルフールの冗談になるんじゃないかとおもって心配でしたが、綱渡りとか泥縄とかそういう状況のなか、なんとか英国に来れちゃいました。
大学院の修士で1年ちょっと、大学院の博士で7年に今回の滞在で、英国暮らしはじつは3回目。初めての留学が1999年で約20年前で、博士終わったのが2008年で約10年前で、様子もずいぶん変わったように思います。また、英国はBrexitに揺れる日々。本当は3月でEU離脱してたはずなのに、まだ離脱してませんが、普通にいけば帰国するまでには離脱するでしょう。それに、英国出発の日に新しい元号が発表され、新しい天皇が即位します。帰国したら、出発前の平成の日本ではなくなっています。やっぱり、この機会に見聞きしたことを少しでも記録したほうがいいのではないかと思い、だいぶ前にリセットしてやり直そうとしてたのに、結局放置していたブログを再開してみることにしました。
ちなみに、お仕事は英国で博士課程にいた頃からトルコなことをやっていて、持ってる研究費の関係でトルコに何回かおでかけすることになるので、こんなタイトルになっています。続けられるかわからないけど、まずは、始めてみようと思います。

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いざ、出発。
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持ってった荷物はスーツケース2個分と先に送った段ボール1個。

秋のおでかけ 第2弾…トルコ 「リキアの道」

  • 職場の行事で仕事がお休みできるタイミングを利用して、自分のしごとをするために再びトルコへ。今回は地中海地方で「リキアの道」を歩くことがしごとの目的。

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