紅茶の国的トルコな生活。

紅茶の国の800年くらい歴史ある大学で1年間訪問研究者として生活してます。日本での勤務先はとんこつラーメンの国にあり、トルコなことやってる教育研究職なヒトのブログ。

It's time to leave....

今日の1月31日の英国時間で午後11時、英国はEUを離脱します。本当は英国に来る前に離脱の予定だったのが、すったもんだして「離脱」詐欺になるんじゃないかとおもっていたのですが、日本に戻る前には、さすがに離脱となるようです。

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歴史の証人
なぜこういう決断になっちゃったんだろうとは思うのですが、今の自分があるのは英国とその高等教育のおかげでもあるので、今願うのはこの選択が少しでもよい方向に向かうことでしょうか。とにかく、歴史の証人として今日の新聞記事を買いました。
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花が咲いたスノードロップ
そうそうひとつ前の記事で書いたスノードロップの写真は数日前に撮ったのですが、今日見たらきれいにお花が咲いていました。

スノードロップ

デスクのある研究室までの通り道に大学植物園があるのですが、スノードロップの蕾が膨らんで、花も咲き始めています。
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スノードロップが咲いて、水仙も咲いたら、英国では春らしさが一気に進むという印象をもっていました。…ということは、自分にとってやってくるのは帰国です。そう考えると、なんだかさみしくなります。
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Collegeの名前がついたドラフトビール

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Selwyn College Chapel

こちらで知り合った日本人研究者の人に、部外者でも入れるということで、Selwyn Collegeのバーに連れて行ってもらいました。こちらのバーには、Selwyn Collegeの名前の入ったドラフトビールがあるということで、それをチョイス。

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一番右側のビール。ブランド名のところがクレスト(校章)になっています。

特に癖もなく、とても飲みやすいビールでした。

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Selwyn Collegeの天使さま

Selwyn Collegeは、町の中心からみるとケム川を越えた先にあって、19世紀設立の比較的新しいコレッジです。観光客がたくさん来るような有名なコレッジではないけれど、そのレンガ造りの建物は、趣があってなかなかよいです。

Burn's Night Formal Hall

1月25日はスコットランドの人々に愛される詩人ロバート・バーンズ(Robert Burns, 1759-1796)の誕生日ということで、この時期のケンブリッジのコレッジでは、バーンズナイトの晩餐(Burn's Night Formal Hall)が開かれることが多いです。
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同時期にPhDやっていた古い知人が、自分のサバティカルと全く同時期にケンブリッジサバティカルやってるというのを去年の11月になって知りました。その知人が、在籍しているWolfson Collegeのバーンズナイトの晩餐に招待してくれました。

ケンブリッジ大学では学生や教員が集まって行う晩餐会のことをフォーマル・ホール(Formal Hall)といいます。食前の集まり、晩餐(前菜、メイン、デザートのコース料理)、食後の集まりという流れです。

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バーンズナイトの晩餐では、伝統料理ハギス(羊の臓物のミンチがはいったソーセージみたいな食べ物です)がメインディッシュ。
バグパイプに率いられ運ばれてきたハギスを前にバーンズの『ハギスに捧げる詩』(Address to a Haggis)を朗読されるといった流れは、伝統に沿っておこなわれていました。

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晩餐は社交の場なので、スマホなどの使用は厳禁です。なので、お食事中は写真撮れませんでした。ハギスについては以下のリンクでどんな料理か参考になると思います。スパイスが効いているので、風味はあまりきつくなく、むしろお酒が進む味だと思います。
www.edinburghpotato.net

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宴のあと

4月から基本ケンブリッジを拠点にしていましたが、いろいろ動き回っていたので、あまりケンブリッジらしいことができていませんでした。サバティカルも終わりがみえてきて、こういう「らしい」ことができたのはよかったです。また、実はWolfson CollegeのFormal Hallに行くのも今回が初めてだったので、そういう意味でも貴重な経験となりました。

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Wolfson College, Cambridge

大英博物館の特別展示”Inspired by the east: how the Islamic world influenced western art”

ケンブリッジからロンドンに行くのに一番便利なのは、キングスクロス駅行きの列車に乗ることです。ノンストップで50分で行けちゃいます。キングスクロス駅といえば、額に天下御免の向こう傷(ちょっと違う)のある魔法使いさんの活躍ですっかり有名になっていますね。

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いつも大行列です。
そんなわけで、いつものようにキングスクロス駅でいわゆる「聖地巡礼」をやってる人たちを眺めてから、今週末で展示がおしまいになる大英博物館の特別展示”Inspired by the east: how the Islamic world influenced western art″に行ってきました(実際に行ったのはちょっと前ですが)。
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昨年の10月からやっていたのですが、この間は"Troy"を優先しちゃいました。
15世紀以降、主としてオスマン帝国を窓口としてイスラム世界と交流し、その影響を受けたヨーロッパ美術や工芸品が展示されていました。もうすぐ終了の特別展示というのに、思っていたよりもずっと込み合っていて、関心の高さをうかがわせました。
イスラム文化が西洋の芸術文化の間の交流について、あらためて勉強になる展示でした。「オリエンタリズム(東洋趣味)」という言葉に代表される、西洋の人々の東洋への関心は、今ではとても政治的な意味合いを持つ言葉となっていますが、21世紀の現在、「オリエント(東洋)」と呼ばれた地域出身の女性芸術家が、オリエンタリズムをどうとらえなおして、自分の作品に表現しているかといったコーナーもあって、興味深かったです。
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オスマン帝国軍の兜
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ポスターにも使われているスルタン・ベヤジット2世の肖像画
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現地の装束を身に着けた英国人の考古学者
日本に帰国してからの授業資料に使えるかもと、図録も忘れずにゲットしておきました。
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冬の光

年が明けて2020年です。ということは、自分の研修期間も残り3か月弱…。
すでに、新年度のお仕事の話がいろいろ舞い込んできていて、ちょっとオロオロしています。ずっとこのままここにいたいとか無理なこと考えたくなってきています。

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King's College Chapel
とはいえ、そんな憂鬱な気分も時折みられる冬の日ざしに慰められます。英国で一番美しいのは5月、そこから日の長い夏がやって来て、あっという間に秋になり日がどんどん短くなっていって、冬になったらどんより暗いってイメージが強くて、この時期にはあまりいい印象ありませんでした。でも、いつもは確かにどんより暗いし、日も短いんだけど、たまに晴れると英国の冬の光はこんなにやさしかったんだということに今さらながら気づかされました。何年も留学してこの町に住んでいたのに、なんで気づいてなかったんだろう…。
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Great St Mary's Church
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King's College from the Backs
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River Cam
この冬の光に暖かさが加わってきたら、本当に研修期間も終わってしまうなあと考えてしまう今日この頃です。
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Trumpington Road

アヤソフィアのネコ様Gliちゃん

世界遺産アヤソフィア博物館には、ガイドブックに写真が載ったり、インスタアカウントまである有名なネコ様いらっしゃいます。

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世界遺産アヤソフィア博物館
その名もGli(グリ)ちゃん。今までなかなかお目にかかる機会ができなかったのに、今回の訪問で会うことができました。しかも、一番奥の祭壇があるところで。
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Gliちゃん
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立ち入り禁止も何のその。警備の仕事してますから。
人慣れしてるのか、マイペースですがどこにいてもフォトジェニックな姿を提供してくれます。
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場所を移してニンゲンを観察。いまのとこ「異常なし」
警備のおじさんたちから可愛がられてカリカリもらってるだけでなく、ガイドさんたちからもカリカリもらってるようので、ちょっとお太り気味なのが心配ですが、いつまでも元気でみんなに愛されてほしいなあと思いました。
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冬のオフシーズンはあまり並ばずに入れます。