紅茶の国的トルコな生活。

紅茶の国の800年くらい歴史ある大学で1年間訪問研究者として生活してます。日本での勤務先はとんこつラーメンの国にあり、トルコなことやってる教育研究職なヒトのブログ。

  • 昨日のオルハン・パムック関連の記事(http://d.hatena.ne.jp/piedpiper/20051011#p2)の補足をしておきます。といっても、ものすごくsensitiveな話なので、どう説明するかすごく悩む。*1
    • 第一次世界大戦前後に独立を求めていたアルメニア系住民に対するオスマン帝国(>トルコ)の対応の仕方に関して、トルコとアルメニア(と欧米諸国)の間では意見が食い違っています。(>>アルメニア人問題と呼んでおきます。)
    • そんなわけで、トルコの知識人の中には今までの論争というかcontrovesyを相対化した見方を取る人たちもでていますが、これってトルコ国内で発言していくのは結構大変なこと。つい最近も、そんな感じでアルメニア人問題を扱った学会をやろうとして延期させられたり、場所を変えてやらざるを得なくなったり。
  • というわけで、オルハン・パムックは、トルコの作家の中では世界的に作品が知られた人の一人かと思うのですが、そんな影響力のある人物がちょっと前にこの「アルメニア人問題」について、「あれは「虐殺」だったと認めるべきだ」って発言したため、ひと騒ぎあったようです。このことが昨日アップした記事のひとつの背景にあります。

*1:しいていうなら「南京大虐殺」があったかなかったかみたいな話に近いかな。