紅茶の国的トルコな生活。

紅茶の国の800年くらい歴史ある大学で1年間訪問研究者として生活してます。日本での勤務先はとんこつラーメンの国にあり、トルコなことやってる教育研究職なヒトのブログ。

  • ちょっと前のニュースで、日本の調査隊が発掘しているトルコのカマン・カレホユック(Kaman Kalehöyük)遺跡に関する話題です。上からMilliyet紙、 Radikal紙、 Sabah紙の順番。でもSabahの特ダネだったのかも。

'Rüşvet almam teminatı' kriz yarattı

Japonya'nın vereceği 2.4 milyon dolarlık hibe anlaşmasında yer alan ve Türkiye'nin 'rüşvet almama sözü' vermesini öngören teminat, tepkiler üzerine belgeden çıkarılıyor
http://www.milliyet.com/2006/03/11/guncel/gun02.html

'Rüşvet' OECD'nin şartıJaponya Büyükelçiliği, müzeye yardım için şart koşulan 'rüşvet' maddesinin uluslararası kural olduğunu savundu. TBMM Dışişleri Komisyonu Başkanı Mehmet Dülger, 'Batsın o para' dedi
http://www.radikal.com.tr/haber.php?haberno=180997

Uluslararası anlaşmaya 'rüşvet' girdi

Kaman Kalehöyük Arkeoloji Müzesi'nin yapımı için Japonya'nın 288 milyon Yen hibesine ilişkin sözleşmeye, "İşler yapılırken rüşvet alınmayacak" hükmü koydurduğu ortaya çıktı.

http://arsiv.sabah.com.tr/2006/03/10/eko113.html

  • この遺跡の調査推進と発掘物の展示を目的に、博物館建設計画があり、そのための援助資金を日本政府が出すということで協定文書がつくられたのですが、この文書の条文のなかに「賄賂とみなされる行為を防ぐことをトルコ政府が確約するのを日本政府は前提にして」援助資金を出すみたいな内容があって、これを読んだトルコ議会の外交委員会が「待った」をかけたというか、噛みついたというか。
  • とにかく、「rüşvet(りゅしゅべっと:賄賂)」という文言が問題になった模様で、外務省に協定文書を差し戻しました。3月中に協定を書き直して賄賂関連の条項を削除しなければ、通さずに却下するとのこと。
  • 日本大使館の声明では、国際的な取り決めに基づくものでありこれまでもトルコへの経済援助の協定を結んだ(1998年以来9回)ときの文書にもこうした内容の条項は含まれていたし、トルコ以外の国への援助の協定文書にもこうした内容のものはあるとしています。
  • 以下コメント。
    • まず、Sabahなどのトルコ側の報道だけで、日本の外務省はダメダメってのはかなりnaive*1
    • たしかに「賄賂」って言葉はきついと思うけれど、その意味合いが国際外交レベルでどう捉えられるかって話は別ではないかと。その点については実際のとこ門外漢なのですが、こういう文書は日本側が一方的に作るんではなく、トルコ外務省と日本大使館が詰めて作ってきてると思うので、外務省レベルではplausibleだったはず。今回も外務省までは通ってるし、今までだって、これで議会の外交委員会、通ってきたんだし。つまり、今回の外交委員会に関わってる政治家さんたちがかなり突然怒り出しちゃったわけです。
    • ってことで、注目すべきは噛みついた国会議員たちや、一部報道の国家や国民のプライドに訴えかけるようなnationalisticな言葉使い。「hakaret(はかーれっと:侮辱)」なんて言葉もみつかります。「賄賂につかうかもしれないと思われてまでお金ほしくなんかない!」なんて、お金という「実」よりも「名誉」が大事ってことになります。
    • 「プライド」は大切ですよ。でも、仮に「プライド」が問題だとしても、それは噛み付いてる政治家の問題じゃないと思います。大体、この遺跡に使われるお金がいくらあろうと、この人たちはそれを必要としていないし。このお金を本当に必要にしてる人たちがいるとしたら、それは「プライド」を重視して「賄賂」って言葉に噛み付いてる政治家さんではなくて、実際に遺跡保存とかにかかわっている人たちなはずなので。しかし、報道を見る限りそれらの人々の声は取り上げれていないってのもあって、なんか腑におちないのです。そのお金がなくて本当に困る人がこういう協定出されて文句を言ってるって話とはかなり違うし。なんか別の狙いがあるんじゃないの?そういう風に考えてくると、なんかすごく嫌な気分になりました。

*1:エイゴ的なネガティブな意味合いです